ウォールアートの耐用年数

耐用年数の長い高品質な塗料で、ウォールアートの耐久性を高める。
ウォールアート制作を希望されるクライアントが最も気にされる点として「ウォールアートの耐用年数」があげられます。ウォールアートは壁面塗装と同様に、使用する塗料や環境により耐用年数が大きく異なり、厳密に言うと塗装した瞬間から劣化が始まっています。環境を改善するのは容易ではありませんが、塗料の選定により耐久性を高め、作品の美観を長期間維持することも可能ですので、耐用年数の長い塗料を使用することが大切です。

内壁と外壁で大きく異なる耐用年数

雨風にさらされることのない内壁の場合、ウォールアート制作に使用する塗料は作品に併せて広く選定することができますが、多くの作品で比較的耐久性の高い「アクリル絵具」や「水性ペンキ」が使用されています。特にアクリル絵具は、乾燥すると耐水性があり発色もとても良いため、内壁であれば美観を長期間維持することができます。
一方外壁の場合、多くが雨風に晒されることから、ウォールアート制作に使用する塗料は「水性ペンキ」が大半です。耐用年数は塗料の種類により異なりますので、材料費と相談しながらできる限り耐用年数の長い塗料を使用されることをお勧めしています。
●アクリル樹脂(耐用年数の目安:約5〜7年)
アクリル塗料は、カラーバリエーションが豊富に揃い発色が良いため、人気の高い塗料です。アクリル塗料のほとんどが1液型で扱いやすいので、シーラーレスでも塗装ができ重ね塗りも手間がかかりません。一方、紫外線に弱いため劣化が早く、耐用年数が他と比べて短いことから、長期間におけるウォールアートの維持には不向きだと言えます。
●ウレタン樹脂(耐用年数の目安:約7〜10年)
ウレタン塗料は、価格が安く、密着性があり塗料の伸びが良いため、施工がしやすいというメリットがあります。一方、耐久性や防汚性に劣るため、長期間におけるウォールアートの維持には不向きだと言えます。
●シリコン樹脂(耐用年数の目安:約10〜14年)
シリコン塗料は、一般的に販売されている最もスタンダードな塗料で、価格と耐久性のバランスが良く、カラーバリエーションも豊富に揃うことから、とても使いやすい塗料です。ただし、さらに耐久性に優れた塗料もあるため、施工場所の現場環境を考慮して大きな問題がない場合には使用を検討するなど、選択肢のひとつとなる塗料です。
●フッ素樹脂(耐用年数の目安:約12年〜17年)
フッ素塗料は、紫外線の強い屋根・外壁・シャッターなどに使用されている塗料で、紫外線や雨水、温度変化や酸性雨に強く、親水性・低摩擦性にも優れるため汚れが付着しにくい特性があります。耐用年数が15〜20年もあるため、ウォールアート制作を行う際はこのフッ素樹脂の使用を推奨しています。シリコン塗料と比較すると価格が1.5倍程度と高価な点が難点ですが、長期間維持していきたいウォールアートであれば、塗料は品質を最重視することが大切です。

クリア塗装で耐久性を高める

ウォールアートの耐用年数を高める施策として、作品の上から無色透明なクリア塗料を塗布する「クリア塗装」があります。クリア塗装に使用するクリア塗料には、一般の塗料と同様にアクリル系・ウレタン系・シリコン系・フッ素系があり、耐用年数の目安もほぼ同様です。
●アクリルクリア塗料(耐用年数の目安:約5〜7年)
●ウレタンクリア塗料(耐用年数の目安:約7〜10年)
●シリコンクリア塗料(耐用年数の目安:約10〜14年)
●フッ素クリア塗料(耐用年数の目安:約12年〜17年)

まとめ
内壁へのウォールアートであれば、耐用年数をそんなに気にする必要もありませんが、外壁へのウォールアートの場合には、最適な塗料を選定し、作品完成後にクリア塗装を行うとウォールアートの耐久性をより高めることができます。また、塗布面にツヤを出すことができるため、より美しい作品に仕上げることができます。耐用年数を重要視するのであれば、より高品質な塗料の選定とクリア塗装は不可欠です。