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内壁へのウォールアート制作に使用する塗料

内壁へのウォールアート制作に使用する、アクリル絵具の特徴を理解する。

室内の内壁は、外壁と違い直射日光や雨風の影響を受けることが少ないため、塗料の耐久性を気にせずとも大きな問題はなく、内壁へのウォールアート制作には「アクリル絵の具」または「水性ペンキ」を用いるのが一般的だと言えます。ここではアクリル絵の具の種類や特性を紹介し、正しい塗料選びの基礎知識を伝授します。

※水性ペンキについては外壁へのウォールアート制作に使用する塗料で詳しく説明しています。
外壁へのウォールアート制作に使用する塗料

絵具の構成要素

絵具は、色素を持った粉の顔料と、顔料を結合させ画面に接着させる役割を担うバインダー(展色剤)を練り合わせたもので、バインダー(展色剤)の違いによって様々な種類の絵具が誕生します。まずは一般的な絵具の種類をご紹介します。

●アクリル絵具
内壁へのウォールアートに最も使用される塗料がこの「アクリル絵具」です。顔料にアクリル樹脂を混ぜた絵具で乾燥が早く、乾燥後は耐水性があるため、重ね塗りも容易に行うことができます。水彩絵具のように伸びも良く、変色もしないため、どのような壁面にでも描くことが可能です。アクリル絵具は基本水性のため、水加減次第で様々な表現が自由自在に行える点も人気の理由です。

●油絵具
油絵具は、顔料に植物油(リンシードオイルやポピーオイルなど)を混ぜた絵具で、伸びがよくツヤがあり、乾燥後もそのツヤを長期間保てるという特徴があります。筆跡を残す表現から繊細な描写まで幅広い技法に対応しており人気の高い塗料ですが、水性絵具と比べ乾燥まで時間がかかるため、ウォールアート制作ではあまり使用されることはありません。※油絵専用のメディウムを使用することで乾燥を早めることができます。※油絵具は水で薄めることができません。薄める際は専用の画用液を使用します。

●パステル絵具
パステル絵具は、乾燥させた粉末状の顔料に、油脂やロウなどの粘着剤を練り混ぜて棒状に固めたもので、滑らかな描き心地と、やさしく柔らかい色合いが特徴的です。調色ができないためかなりの色数が販売されており、ぼかしや重ね塗りも可能です。パステル絵具は粘着剤の分量により、ソフトパステル、ハードパステル、オイルパステル、パステル鉛筆の4種類に分類されています。パステル絵具は粘着性が低いため、ウォールアート制作で使用されることはありません。

●岩絵具
岩絵具は、主に鉱石を砕いて作られた粒子の絵具で、絵画だけでなく、彫刻、工芸、建築などにも用いられている伝統的な顔料です。単独では画面に定着しないため、固着材としてニカウを練り合わせます。天然岩絵具の鉱石は希少価値が高く高価なため、現在ではほとんどの岩絵具に人工顔料が用いられています。岩絵具独特の仕上がりから、屋内内壁へのウォールアートでは岩絵具が一部使用されることがあります。

●水彩絵具(透明水彩/不透明水彩)
水彩絵具は、アラビアゴムなどを練り合わせて作られる絵具で、透明水彩と不透明水彩があります。透明水彩は透明度が高く、下地や下塗りが透けて見えるのが特徴です。薄塗りで重ね塗りをすることで、色鮮やかな色彩を表現することができます。不透明水彩には、厚塗りを原則とするコクのある色合いが特徴的なガッシュと、混色が簡単にできるポスターカラーの2種類があります。多くの絵画で使用される水彩絵具ですが、ウォールアート制作に水彩絵の具を使用することはほとんどありません。

内壁へのウォールアート制作でアクリル絵具が使用される主な理由

アクリル絵具は乾燥が早く、乾燥後は完全な耐水性を持つという特徴から、室内内壁へのウォールアートやオフィスアートで数多く使用されています。また、透明性が高く発色もとても色鮮やかで、描き方により幅広い表現が可能なことから、あらゆる作品づくりに適した塗料だと言えます。アクリル絵具の主な特徴は次の通りです。

●乾燥が早いため制作時間を短縮できる
アクリル絵具が多くのアーティストに使用される理由は、乾燥の速さにあります。紙に描いた場合の乾燥の速さは驚くほどですが、キャンバス、コンクリート、木板など、あらゆる支持体の上でも水彩絵具と同じ位の速さで乾燥します。絵具は外気に触れている外側から乾いていくため、半乾きの状態で重ね塗りすることもできます。

●乾燥すると耐水性があり耐久性が強い
アクリル絵具があらゆる現場で使用される最大の理由には、乾燥前は水に溶け、乾燥すると完全な耐水性になる点が挙げられます。そのため、色を何層にも塗り重ねる複雑な色合いも比較的容易に表現することが可能で、乾燥後は高い耐久性を保つことができます。

●透明度が高く発色が鮮やか
アクリル樹脂は乾くと無色透明になり顔料がそのまま見えるため、とても色鮮やかな点もアクリル絵具の魅力だと言えます。また、油絵具で使用する植物油に比べ圧倒的に透明度が高いため、下地の色を生かして重ね塗りるすなどの表現も自由自在にアレンジすることができます。

●水彩のような描き方もできる
アクリル絵具は、水で溶かさずそのまま使用すると、油絵具のような立体感のある作品に仕上げることができる一方、水に溶かして使用すると水彩絵具のような淡い表現も可能です。油絵っぽくも、水彩画っぽくも仕上げることのできるアクリル絵具は、描き方により幅広い表現が可能なため、ウォールアート制作においても様々な表現に使用されている画材です。

まとめ

内壁へのウォールアート制作に最適な塗料は、アクリル絵具または水性ペンキのいずれかであることが一般的ですが、何を描くのかにより使用する塗料を選定していきますので、ご依頼の際は担当させて頂くアーティストと相談の上、使用する塗料をご提案させて頂きます。

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