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外壁へのウォールアート制作に使用する塗料

外壁へのウォールアート制作に使用する塗料を、塗料の構成要素と種類から理解する。

屋外の外壁にウォールアート制作を行う際、選定する塗料により耐久性や耐用年数が大きく異なることから塗料の選定はとても重要です。塗料は、あらゆるメーカーから様々なものが販売されていますが、外壁へのウォールアート制作を行う場合に必要なのは、耐用年数が高い外壁用のペンキです。ここでは、そのペンキの種類と特徴を理解し、正しいペンキ選びの基礎知識を伝授します。

ペンキの構成要素

外壁は雨風や日光が直接あたるため、ウォールアート制作時には耐久性のある外壁用のペンキを使用する必要がありますが、外壁塗料は様々なメーカーから多品種が販売されており、何を基準にどのように選んだら良いのか、商品選定が難しいのが正直です。だからこそペンキに関する正しい知識を身につけることが肝要です。まずはペンキがどのような構成要素から作られているかをご説明します。

●着色顔料
水・油・一般溶剤などに溶けない着色または無色の粉末です。顔料が含まれているものがエナメル塗料、含まれていないものがクリアー塗料(ニス)です。顔料は、塗料の色彩を形成する着色顔料、厚みを付け、塗膜の増強・光沢の調整を行う体質顔料、その他防錆・防カビ等の機能を付与する機能性顔料の3種類に大別されます。

●合成樹脂
硬化して塗料の主成分となる合成樹脂。塗料の品質、グレード、耐久性を決定する主成分が合成樹脂です。主な合成樹脂には、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂などがあり、種類によって柔軟性や耐候性が大きく異なります。

●添加剤
添加剤は、塗膜を形成する副要素で、塗膜に様々な機能を付与し性能を向上させます。添加剤の主な目的は、品質の安定化、塗装作業の効率化、塗装後の塗料の防護に分けられ、多くのメーカーが様々な添加剤を開発しています。代表例には、塗膜の光沢度を下げる艶消し剤、表面張力の低下を防止する界面活性剤、塗料の流れ落ちを防止するたれ防止剤、塗料の腐食などを防止する防腐剤・防カビ剤などがあります。

●溶剤
樹脂類の希釈のために配合される溶剤には、成分を水で溶解した「水性塗料」と、塗料を有機溶剤(シンナー)で溶解した「油性塗料」があります。水とシンナーのどちらも揮発性が高いため塗膜にならず蒸発します。

外壁用塗料の種類

外壁用のペンキは合成樹脂の違いにより、次の4つの種類に分けられます。それぞれにメリットとデメリットがあるため、正しく理解しておくことが大切です。

●アクリル樹脂(耐用年数の目安:約5〜7年)
アクリル塗料は、カラーバリエーションが豊富に揃い発色が良いため、人気の高い塗料です。アクリル塗料のほとんどが1液型で扱いやすいので、シーラーレスでも塗装ができ重ね塗りも手間がかかりません。一方、紫外線に弱いため劣化が早く、耐用年数が他と比べて短いことから、長期間におけるウォールアートの維持には不向きだと言えます。

●ウレタン樹脂(耐用年数の目安:約7〜10年)
ウレタン塗料は、価格が安く、密着性があり塗料の伸びが良いため、施工がしやすいというメリットがあります。一方、耐久性や防汚性に劣るため、長期間におけるウォールアートの維持には不向きだと言えます。

●シリコン樹脂(耐用年数の目安:約10〜14年)
シリコン塗料は、一般的に販売されている最もスタンダードな塗料で、価格と耐久性のバランスが良く、カラーバリエーションも豊富に揃うことから、とても使いやすい塗料です。ただし、さらに耐久性に優れた塗料もあるため、施工場所の現場環境を考慮して大きな問題がない場合には使用を検討するなど、選択肢のひとつとなる塗料です。

●フッ素樹脂(耐用年数の目安:約12年〜17年)
フッ素塗料は、紫外線の強い屋根・外壁・シャッターなどに使用されている塗料で、紫外線や雨水、温度変化や酸性雨に強く、親水性・低摩擦性にも優れるため汚れが付着しにくい特性があります。耐用年数が15〜20年もあるため、ウォールアート制作を行う際はこのフッ素樹脂の使用を推奨しています。シリコン塗料と比較すると価格が1.5倍程度と高価な点が難点ですが、長期間維持していきたいウォールアートであれば、塗料は品質を最重視することが大切です。

溶剤により水性塗料/油性塗料が分かれる

塗料には水性塗料、油性塗料の2種類があり、見た目はほとんど同じですが、それぞれに特徴があります。それぞれを正しく理解することで、ペンキ選びがグッと楽になるため、水性塗料、油性塗料の違いを理解することはとても大切です。

●水性塗料は塗膜主要素を水で溶解する
水性塗料は塗膜主要素を水で溶解しているため、「臭気が少なく」「塗料の伸びが良い」「そして、保管しやすい」という特徴があります。また、引火する危険性もほとんど無く、耐久性・耐候性も高いため、屋外でのウォールアート制作に最も多く使用されています。

●油性塗料は塗膜主要素をシンナーなどの有機溶剤で溶解する
水性塗料は塗膜主要素をシンナーなどの有機溶剤で溶解しているため、「臭気が強く」「塗料の伸びが悪い」というデメリットがあります。一方、「水性よりも耐候性・耐摩耗性・防水性が高い」「塗装後の乾燥が早い」などのメリットがあり、より耐久性を求められる場所へのウォールアート制作で使用する場合があります。

まとめ

外壁へのウォールアート制作に適したペンキは、シリコン樹脂(耐用年数の目安:約10〜14年)またはフッ素樹脂(耐用年数の目安:約12年〜17年)が主成分となる水性塗料が最も適していると考えられます。どのようなデザインに描くのかにより着色顔料を選定し、求める性能を加味しながらペンキ選定を行うことが大切です。

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